だしを取るのを面倒に感じるのは、いつも時間をかけて浸けておかなくてはいけないと思っているからかもしれません。
家庭で作る料理はいつも出来栄えが違ってよいのではないでしょうか。
今日は昆布を長く浸けておいたからだしがよく出ているなとか、浸けていた時間は短いけれど野菜からおいしいだしが出ているなとか、味噌汁ひとつとってみても、毎日発見があります。
昆布は切ったものを、煮干しは頭と内臓を取って開いたものを容器に入れて台所の手の届きやすい場所に置き、まずは気軽に使ってみましょう。
一晩以上、水に浸けてもよいですし、そのまま具材と一緒に煮て途中で取り出してもよいのです。
旨味をしっかり出したいなら、水と一緒に保存容器に入れて一晩おきます。
冷蔵庫に入れておけば2~3日は大丈夫です。
お味噌汁なら鍋に水と昆布と煮干しを入れておけば、ほかの料理を作っている15~30分の間にもじゅうぶんにだしが出ます。
野菜やきのこなどからも旨味が出ますので、旬の食材の美味しさを味わうなら、かつお節などを使わず、昆布と煮干しだけでじゅうぶんです。
じゃがいもなどの根菜は水から煮ますので、一緒に昆布や煮干しを入れればじんわりと旨味が引き出せます。
一見淡白な小松菜、もやし、かぶなどからも美味しい旨味がでます。
また豚汁やお肉を入れる煮物のときは煮干しが合うようです。
煮干しはかつお節のようなはっきりとした旨味ではありませんが、なんとなく美味しいと感じるときは煮干しのだしが効いているのです。
目安として昆布の大きさは、水200ml(カップ1)に対し5センチ×5センチを一枚、と覚えておきます。
煮干しを選ぶときは、全体的に青く銀色に光っているものにします。黄色く変色して皮が剥がれているものは避けましょう。
水は新鮮な湧き水やお気に入りのミネラルウォーターなど、自分なりにこだわってみても楽しいです。
実際に、昆布と煮干しのだしを使い始めると、意外に楽に続けられることに気付きます。
ちょっとしたことなのですが、美味しいお味噌汁を作ることができただけで、なんとなく満たされた気分になります。立派なおかずはそれほど要らなくなります。
そうやって気楽になれば元気が出て、ときには手の込んだ料理にも挑戦してみようという気持ちになるかもしれません。
お味噌汁は老若男女みなさんが自分で作れるようになってほしいと思います。